AI画像生成ツール「3大流派」完全ガイド
言語統制型・視覚直感型・自己学習型 ~あなたに合う「相棒」を見つけよう~
ラァァァン!助けなさい!もう訳がわからないのよ!
はぁ...エテ先輩、朝から何事ですか...。どうしたんです?
AI画像生成ツールを使おうと思ったのよ!でもね、調べたら多すぎるの!Midjourney、SeeDream、Nano Banana Pro、Ideogram、Flux、DALL-E...もうどれがどれだか分からないわ!
なるほど、ツール選びで迷子になってるんですね。実は、これらのツールって大きく3つの流派に分類できるんですよ。
3つの流派?なにそれ、面白そうじゃない!教えなさいよ!
はい。まず全体像をお伝えしますね。
Type A: 言語統制型(The Architect)
→ 言葉で論理的に指示するタイプ
Type B: 視覚直感型(The Painter)
→ 参考画像を見せて直感的に伝えるタイプ
Type C: 自己学習型(The Trainer)
→ AIそのものに学習させて専用ツールにするタイプ
ふむふむ...つまり、料理で言うとレシピ通りに作る人、見た目で真似する人、自分でオリジナル料理を開発する人みたいな感じかしら?
おお、エテ先輩にしては良い例えですね!そんな感じです。では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
まずType A「言語統制型」からです。これは、AIを「言葉で論理的に指示する設計士」として扱うアプローチですね。
言葉で指示って...私、プロンプト書くの苦手なのよね。「青い空と白い雲と赤い帽子の少年」って書いたら、なぜか赤い雲が出てきたことあるわ。
それ、「属性の漏れ(Attribute Leakage)」という現象ですね。日本語や英語などの自然言語は曖昧なので、AIが「赤い」という言葉をどの名詞に結びつけるか迷ってしまうことがあるんです。
※属性の漏れとは、プロンプト内の形容詞が意図しない対象に適用されてしまう現象のことです。
そうそう、それよ!じゃあどうすればいいの?
そこで最新のType Aツールは「JSON(ジェイソン)構造化プロンプト」という技術を採用しています。これは、マークシートの回答用紙のように、情報を明確な枠に入れて指示する方法です。
※JSONとは、データを構造化して記述するフォーマットのことで、プログラミングでよく使われます。
{
"scene": {
"location": "park",
"weather": "sunny"
},
"subjects": [
{
"type": "boy",
"attributes": {
"accessory": "red_hat"
}
},
{
"type": "cloud",
"attributes": {
"color": "white"
}
}
]
}
なるほど...要するに「red_hat」は「boy」の枠に入ってるから、絶対に「cloud」とは混ざらないってことね!
その通りです!さすがエテ先輩、理解が早いですね。
🛠️ Type Aの代表ツール
Type Aの代表的なツールを紹介しますね。
① Nano Banana Pro(Google DeepMind系)
Gemini 3 Proという高度な言語モデルと画像生成エンジンが融合したツールです。論理的な理解力が非常に高く、「最近の若者トレンドを反映した近未来的なスニーカー広告」みたいな抽象的な指示も、背景を論理的に推論して画像化できます。
なんですって!?そんな曖昧な指示でも理解してくれるの!?
はい。それから、画像内のテキスト(文字)も正確に書けるのが強みですね。ポスターに「SALE 50% OFF」って入れても、スペルミスしにくいんです。
② Ideogram v2(タイポグラフィの達人)
文字とデザインの融合において右に出るものがいないスペシャリストです。長文テキストの配置や、特定のフォントスタイルの再現が得意で、Tシャツのプリントデザインやロゴ作成に向いています。
ふむふむ。文字入れが得意なのね。グッズ作りに使えそうだわ。
③ Recraft(ベクターの魔術師)
このツールは特殊で、ベクター画像(SVG形式)を生成できます。
※ベクター画像とは、数式で線や面を定義した画像のことで、どれだけ拡大しても画質が劣化しません。名刺サイズからビルの壁面広告サイズまで使える点が特徴です。
つまり、Type Aは「正確さ」と「論理」が命ってことね。設計図通りにビシッと作りたい人向けだわ!
その通りです。UI/UXデザイン、ロゴ制作、商用バナー、ECサイトの商品画像量産など、「仕様書がある」タイプの仕事に向いていますね。
でもねラン、私は言葉で説明するのが苦手なのよ!「この感じ」「あの雰囲気」って言いたいときがあるの!
そういうエテ先輩には、Type B「視覚直感型」がピッタリですよ!これは「百の言葉より、一枚の画像」というアプローチです。
なにそれ!私向きじゃない!詳しく教えなさい!
Type Bの核心技術は「リファレンス(参照)機能」です。これは、参考にしたい画像をAIに見せることで、その画像の「スタイル」や「構図」を新しい画像に反映させる機能ですね。
ふむふむ、要するに「この写真みたいな感じで」って見せればいいってこと?
そうです!しかも最新のツールは、画像から「構図」「スタイル」「キャラクター」を分離して認識できるんです。例えば...
「ポーズは棒立ちの画像(構図)」+「ピカソの絵(スタイル)」+「自分の顔写真(アイデンティティ)」を組み合わせると、「ピカソ風に描かれた自分の棒立ち画像」が作れます。
すごいじゃない!素材を組み合わせてオリジナルが作れるのね!
🛠️ Type Bの代表ツール
① SeeDream 4.5(ByteDance系)
TikTokの親会社が開発したツールで、静止画と動画の境界を溶かすような存在です。「Smart Canvas」機能で、画像を下絵としてではなく「概念の抽出源」として扱えます。キャラの顔だけ維持して画風を変える、といった操作がスライダーだけでできますよ。
スライダーで操作!?直感的で私向きだわ!
② Midjourney(--sref / --cref)
美的センスにおいて圧倒的な存在です。v6以降に「Style Reference(--sref)」と「Character Reference(--cref)」が追加されました。
「--sref」「--cref」?呪文みたいね。何が違うの?
--sref(Style Reference)は、参照画像の「画風、色使い、質感、照明」を新しい画像に移植します。「1980年代のVHS風で、ネオンと霧がかかっていて...」と言葉で説明する代わりに、そういう画像を見せるだけでOKです。
--cref(Character Reference)は、同一キャラクターを一貫して描くための機能です。顔や髪型、服装を別の画像から抽出して、別のポーズや背景で再生成できます。
なるほど!srefは「雰囲気を真似する」、crefは「キャラを真似する」ってことね!漫画やストーリーボードを作る人には神機能だわ!
③ Krea AI(リアルタイム生成)
これは変わり種で、「リアルタイム性」が武器です。キャンバスに線を引いた瞬間、それが高画質な画像に変換されます。
え!?描いたらすぐ変換されるの!?待ち時間ゼロってこと!?
はい。ラフな丸や四角を描いて、Webカメラでポーズを映しながら、スライダーを動かすと、リアルタイムに結果が変わります。偶然の産物からアイデアを発見するプロセスに最適ですね。
Type Bは私みたいな感覚派にピッタリね!Pinterestで画像集めるの好きだし!
まさにその通りです。Type Bは、ムードボード制作、コンセプトアート、ストーリーボード、直感的なアイデア出しに向いていますね。
でもねラン、私オリジナルキャラクターがいるのよ。毎回プロンプトで特徴を説明するの面倒だし、微妙に顔が変わっちゃうこともあるの。
そういう場合は、Type C「自己学習型」の出番です。これはType AやBとは根本的に違って、「AIモデルそのものを改造する」アプローチなんです。
AIを改造!?なんだか難しそうだわ...
例えで説明しますね。Type Cの中核技術「LoRA(ローラ)」は、「広辞苑に挟み込む、自分だけの付箋メモ」のようなものです。
※LoRA(Low-Rank Adaptation)とは、既存のAIモデルに追加学習を施すための軽量な技術です。元のモデル(数GB)を変更せず、小さな差分データ(数十MB〜数百MB)だけで新しい概念を教え込めます。
ふむふむ...広辞苑が元々のAIで、付箋メモが私のキャラの情報ってこと?
その通りです!一度LoRAを作れば、「トリガーワード(合言葉)」を入力するだけで、AIがそのキャラクターを「知識」として呼び出して描いてくれます。毎回説明する必要がなくなるんです。
※トリガーワードとは、LoRAで学習した内容を呼び出すためのキーワードのことです。例えば「hanako_style」と入力するだけで、学習済みのキャラクターが出力されます。
すごい!召喚呪文みたいね!「我が名において命ずる、花子よ現れよ!」って感じ?
...まあ、そんな感じでいいです。
🛠️ Type Cの代表ツール
① Flux.1(Black Forest Labs)
元Stability AIのエンジニアたちが設立した会社のモデルで、現在Type Cの学習ベースとして最も注目されています。画質とプロンプト遵守能力がMidjourney並みでありながら、オープンウェイト(モデルデータが公開されている)なので自由に追加学習ができます。
でも学習させるのって、高性能なパソコンが必要なんでしょ?私のパソコン、動画見ると熱くなるレベルよ?
昔はそうでしたが、今はCivitaiやTensor.artのようなWebサービスを使えば、ブラウザだけで学習できますよ。画像をアップロードして、ウィザードに従うだけです。
ブラウザだけでいいの!?じゃあ私でもできるじゃない!
簡単に手順を説明すると、こんな感じです。
Step 1:データセット収集
学習させたいキャラクターの画像を15〜30枚用意します。角度や背景がバラバラな方がAIは本質を理解しやすいです。
Step 2:キャプション付け
各画像に何が映っているか説明をつけます。今はCivitaiが自動でやってくれることも多いです。
Step 3:トレーニング実行
「Train」ボタンを押して待つだけ。数十分〜数時間でLoRAファイルが完成します。
なるほどね...Type Cは「自分専用の職人AI」を作る感じね。漫画家さんやVTuberさんみたいに、同じキャラを何度も描く人には最強だわ!
その通りです。オリジナルキャラクターの一貫性保持、自社ブランド製品の展開、特定画風の継承など、「同じものを何度も正確に」という用途に最適ですね。
ラン!3つとも分かったわ!でも結局、私はどれを使えばいいの!?
比較表を見ながら考えましょう。
| 特徴 | Type A 言語統制型 |
Type B 視覚直感型 |
Type C 自己学習型 |
|---|---|---|---|
| 操作の起点 | 言葉・論理 | 画像・感性 | データセット |
| 代表ツール | Nano Banana Pro Ideogram DALL-E 3 |
SeeDream 4.5 Midjourney Krea AI |
Flux.1 Civitai Tensor.art |
| 思考プロセス | 演繹的(論理→結果) | 直感的(見本→結果) | 帰納的(データ→法則) |
| 得意な作業 | 正確なレイアウト 文字入れ・UIデザイン |
雰囲気作り スタイル模倣 |
キャラ固定 一貫性のある量産 |
| 難易度 | 中(言語化能力必要) | 低(直感でOK) | 高(準備が必要) |
| 再現性 | 極めて高い | 中〜高 | 最高 |
ふむふむ...じゃあ、性格的にはどんな人がどのタイプに向いてるの?
Type A向きの人:几帳面な論理派
「ふんわりした指示」より「明確な仕様書」が好き。言語化が得意で、ピクセル単位のズレが気になる。プログラミング的思考に親和性があり、再現性を重視する人ですね。武器は「明確な指示書」です。
Type B向きの人:感覚重視のアーティスト
言葉で説明するより「これ見て」と画像を見せた方が早いと思う。Pinterestで画像を集めるのが好き。偶然の産物にインスピレーションを受ける人ですね。武器は「審美眼」です。
Type C向きの人:こだわり職人・エンジニア
自分だけのキャラクターや世界観があり、既存のモデルでは満足できない。手間をかけてでも「自分専用の最強の道具」を作りたい人ですね。武器は「愛情(データセット)」です。
なるほど...私は感覚派だからType Bね!でも、オリジナルキャラがいるからType Cも気になるわ!
実は、一つの流派に固執する必要はないんです。2026年の最先端では、これらが融合し始めています。
融合!?どういうこと?
例えばこんなワークフローが考えられます。
① Type Cで自社キャラのLoRAを作成
② Type B(Midjourney)でスタイルのリファレンスを適用
③ Type A(Ideogram)で最終的な文字入れ・レイアウト調整
ワインを料理に合わせて選ぶように、工程ごとにツールを使い分けるのが2026年のベストプラクティスですね。
最後に、今日出てきた用語をおさらいしてくれない?カタカナ多すぎて頭がパンクしそうなのよ!
了解です。日常語に翻訳した「テイスティング・ノート」を用意しますね。
🍷 基本用語
プロンプト ➔ 「注文書 / レシピ」
AIシェフへの料理の注文です。Type Aでは「塩5g、焼き加減ミディアムレア」と詳細に、Type Bでは「あの写真みたいな感じで」と伝えます。
シード値 ➔ 「パラレルワールドの座標 / サイコロの目」
AIは生成のたびにサイコロを振って絵を決めます。シードを固定すると、同じ目を出して同じ絵を再現できます。
潜在空間 ➔ 「無限の図書館」
あらゆる画像や概念が収納されているAIの脳内宇宙。「猫」の棚と「宇宙服」の棚の間から「宇宙服を着た猫」の本を取り出すイメージです。
🏗️ Type A関連
JSON ➔ 「マークシート式の回答用紙」
自由記述だと採点者(AI)が読み間違えることがありますが、マークシートなら枠が決まっているため正確に処理できます。
🎨 Type B関連
Image-to-Image (i2i) ➔ 「トレーシング(写し絵)」
下絵の上に薄い紙を置いてなぞる作業。元の線の影響を強く受けます。
リファレンス ➔ 「ムードボード / 見本写真」
絵を描くとき横に置いておく参考資料。テイストを「盗む」だけで、なぞるわけではありません。
インペインティング ➔ 「修正液と書き直し」
完成した絵の一部だけを修正液で消して、そこだけ描き直させる技術。「手だけ直して」という指示です。
🧪 Type C関連
Checkpoint(モデル) ➔ 「画家の脳(基礎教養)」
写実画が得意な画家、アニメ絵が得意な画家など、ベースとなる才能の塊。Flux.1やStable Diffusionがこれにあたります。
LoRA ➔ 「短期集中講座 / 必殺技の伝授」
画家に「特定のキャラの描き方」だけを追加で教え込むテキスト。基礎教養(Checkpoint)に追加して使います。
トリガーワード ➔ 「合言葉 / 召喚呪文」
LoRAで学習した内容を呼び出すためのスイッチ。「この合言葉を言ったら、練習したあのキャラを描いてね」という約束事です。
すごい!全部わかりやすい!「召喚呪文」って例え、気に入ったわ!
ラン、今日は本当に助かったわ!3つの流派の違いがバッチリ分かったもの!さすがね!
い、いえ...お役に立てて嬉しいです。最後に一つだけお伝えしたいことがあります。
なにかしら?
AIはもはや、恐れるべき競争相手ではありません。あなたの指揮を待つ優秀なオーケストラなんです。
工程によって使い分けることで、あなたのクリエイティブは、かつてない高みに到達できるはずです。
よーし!私は指揮者になるわ!AI画像生成、マスターしてやるんだから!
はい、応援してます。何かあったらまた聞いてくださいね。
それじゃあ、またね!
また次回!お疲れ様でした!